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日記、映画&本のレビュー、ネタぽろりなど。自由に不定期更新中。 更新報告も行います。
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「てゆーかさ、なんで名探偵そんな落ち着いてるわけ?」
疲れたようにKIDが聞くから『なんとなくだ!』と答えたら更に脱力された。
そりゃー俺だって訳わかんねーけど、俺の適応力には定評がある。なにせコナンになったときだってその適応力のおかげで蘭の家に転がり込めたんだし。
まあさすがに幽体になってここに浮かんでたときはびっくりしたけどさ…。
『だってしょうがねーじゃん?』
俺がそう言って笑うとあいつはハッとしたようになって「…ごめん」て呟いた。まあこいつもショックだろうな。今まで少なからず関わり合いのあった相手がいきなり幽霊になって現れたら、普通は信じられないだろう。こいつも人の子ってことだ。
「名探偵…成仏しちゃうの?」
おいお前さっきからKIDの口調が崩れてるぞ。
『さあー。わかんね』
「……………………」
『いくら俺だって幽霊は初体験だし』
「……まあ、そうだよな……」
こいつは一応納得したみたいだった。
『ただあいつらのこととか気になるし、いっぺん家に帰ろうかなってさ』
「名探て…」
『そんな顔しなくっても家に帰ったくらいで成仏するかよ!』
置いてかれる犬みたいな目すんなよな!反則だぞ反則!
『まあ幽霊になって初めに会ったのお前だし。なんか縁があるんじゃねぇ?成仏しちまう前に挨拶にでも行くって』
幽霊に慰められてるKIDの図っていうのもなかなか珍しい。てか、普通はないはずだ。
「…う~こんなことならもっと早く、お前に会いにいっときゃよかった」
はあ、と切なそうにため息混じりで呟かれると、こっちとしては、なんで?とか聞き返せない雰囲気だ。
いやむしろ。
『俺は会いたくないね』
「え…」
だからそんな顔すんなって!!
『お前に会うとしたら現場で直接か、もしくはお前の正体をつきとめて、俺が会いに行くとき-なんだからな!』
にい、と笑ってそう告げるとあいつは初めて笑った。
「ははっ…名探偵らしいや…」
あったりめーだ。
それに、なんだか…死んでるって感覚がしない。未練があるってことなのかどうなのか。
「KIDがいたぞ!追え~!!」
どうやら中森警部が追いついてきたらしい。俺たちはもう一度顔を見合わせて笑い、あいつはハングライダーで地を蹴った。




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