「蝶々9」(書きかけ)
※後日アップ予定です
「ほう…」
短刀を突きつけられているにも関わらず、老人は臆した様子もなく話しかけてきました。
「奴と一緒にいたという村人じゃな。どうした、礼金を受け取りにも来なかったではないか。礼金と引き換えに奴を渡す。儂は約束は守るぞ…」
「金は要らない。新一を放してもらう」
「勝手な言いぐさだな。捕らえたのはお前たちのはずだが…取り込まれたか?」
「違う…ッ!」
短刀の切っ先が小さく震えました。
振り返らないまま老人は続けます。
「こやつが何を言ったかは知らぬが…お主は何か言われたのか?頼まれたのか?…そうではないだろう?」
「何…を」
「こやつも儂に会いに来たと言う事よ」
「そんなはずはない!」
ほとんど叫ぶように言った快斗は、しかしその瞬間に短刀を取り落としました。
思いも寄らぬ素早い身のこなしで老人がその手に持った杖を一閃、短刀を弾き飛ばしたのです。
「儂はな、若造。こやつと深い縁がある。お前さんが生まれるずっと前からだ。何も知らないお前さんが、邪魔をしないでもらおうか」
「…知ってるさ!蒼い蝶を集めてるのはあんただろ。そのあんたが新一を欲しがった。何故なら新一は蝶の妖だから」
「何を…」
「でも蝶の妖なんて話は聞いたことがない。妖になるのは動物や木みたいな、長い間生きられるもののはずだ。蝶のような虫たちは意志を持ち言葉を操るには生が短すぎる」
「…ほう」
「けれど新一は人の形を取っているし言葉や行動や考え方、全てが人間だ。ただ、存り方が蝶の妖なんだ。つまり」
短刀を突きつけられているにも関わらず、老人は臆した様子もなく話しかけてきました。
「奴と一緒にいたという村人じゃな。どうした、礼金を受け取りにも来なかったではないか。礼金と引き換えに奴を渡す。儂は約束は守るぞ…」
「金は要らない。新一を放してもらう」
「勝手な言いぐさだな。捕らえたのはお前たちのはずだが…取り込まれたか?」
「違う…ッ!」
短刀の切っ先が小さく震えました。
振り返らないまま老人は続けます。
「こやつが何を言ったかは知らぬが…お主は何か言われたのか?頼まれたのか?…そうではないだろう?」
「何…を」
「こやつも儂に会いに来たと言う事よ」
「そんなはずはない!」
ほとんど叫ぶように言った快斗は、しかしその瞬間に短刀を取り落としました。
思いも寄らぬ素早い身のこなしで老人がその手に持った杖を一閃、短刀を弾き飛ばしたのです。
「儂はな、若造。こやつと深い縁がある。お前さんが生まれるずっと前からだ。何も知らないお前さんが、邪魔をしないでもらおうか」
「…知ってるさ!蒼い蝶を集めてるのはあんただろ。そのあんたが新一を欲しがった。何故なら新一は蝶の妖だから」
「何を…」
「でも蝶の妖なんて話は聞いたことがない。妖になるのは動物や木みたいな、長い間生きられるもののはずだ。蝶のような虫たちは意志を持ち言葉を操るには生が短すぎる」
「…ほう」
「けれど新一は人の形を取っているし言葉や行動や考え方、全てが人間だ。ただ、存り方が蝶の妖なんだ。つまり」
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